HNチャンガーの
考えるパン屋
第4話 自家製酵母でパンを作る(その2)
 

 前回、レーズンから酵母を起こしてみました。レーズンについている酵母が炭酸ガス を発生するようになると、ビンを開けるたびに「プシュッ」とガスの音がするように なります。この状態になったら、ライ麦粉と混ぜて酵母を粉に慣れさせます。もちろん普通の小麦粉と混ぜてもかまいません。いきなり、酵母液を混ぜてパンを作る方法もありますが、風味の点でやや劣りますし、安定しにくいです。

 レーズンをこした液とライ麦粉を1:3の割合でこねます。やや固めの方が良いと思います。24時間ほど冷暗所に置いておくと、生地が発酵します。最初に硬めにしてあるので、表面が割れています。ここで種を半分に折って、上下を返しておきます。 さらに、24時間置くと、自家製酵母のパン種の完成です。酵母の働きによって、硬かった種が半液状になっています 。




 この種を使ってパンを焼いてみました。やはり、市販のイーストと違い発酵力に劣り、発酵に時間が倍以上かかります。だからといって、種を2倍にすればよいというわけではありません。ゆっくり、ゆっくりパンを膨らませて行くのが良いようです。

 家製酵母のパンは焼きたてよりも、3日位経ったパンの方が美味しいです。何もつけずに食べてみると一口目はピンときませんが、噛むうちに小麦粉の旨みと甘さが感じられます。見た目は地味なパンですが、シミジミ美味しいパンです。

 今でこそパンはイーストを使って発酵させるのが主流ですが、元々はその土地に生息する酵母を育ててパンを作っていました。酵母が変わればパンも変わるのですから、 酵母は小さいながらも偉いですね。

 後日談・・今回は調子よくパンが出来ましたが、その後2回、3回と失敗しました。 梅雨が終わって、気温が上がったのが原因かなぁと考えています。かなり微妙な、さじ加減が必要のようです。∈(´Д`)∋アァー

 

蛇足・・このコラムではイーストと自家製酵母と二つの言葉が出てきます。これは天然酵母という呼び名が曖昧で、私が好きではないことからです。パン屋さんではイース トとは工場で培養された酵母のことを言います。もちろんイーストも日本語で酵母のことをいい、いわゆる天然の酵母です。最近は工場で作られた天然酵母(?)も売られていますので、区別するために自家製酵母とコラムの題をつけました。




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