HNチャンガーの
考えるパン屋
第7話  クリスマス シュトーレン
 あと一ヶ月もするとクリスマスですね。子供のときはクリスマスが来るのを心待ちにしていました。ケーキもあるし、ご馳走もあるし、それより何よりサンタクロースがやって来る!

私の家の場合、サンタクロースにプレゼントを頼む前に母親に相談し、そのプレゼントが高いか安いかを吟味されるシステムでした。僕が「サンタさんに頼むんだよ。」といっても、「むこうも都合があるから・・」と母がいい、プレゼントは何故か欲しいものと微妙に違うものが枕元に置いてあったのを思い出します。ほのぼのしてわりとクリスマスは好きな行事でした。

 
 ところがです。大学を卒業してパン屋さんに就職したら、クリスマスはケーキ地獄が待っていました。クリスマス前、一週間になると、ほとんどケーキでフル稼働になり、しかもノルマがあってケーキを売らなくてはいけません。クリスマス商戦とは言いますが、華やかなクリスマスの裏には結構厳しい現実がありました。



 話は変わって、パン屋にもクリスマス用のパンがあります。ドイツのパンとお菓子の中間のようなクリスマス シュトーレンです。このシュトーレンとは、卵とバターのたっぷり入ったパンの生地にドライフルーツやナッツを、これまたたっぷり入れて発酵させ、枕のような形に成形して焼き上げます。焼き上がったら溶かしたバターと粉糖を交互にかけたバターケーキのようなパンなのです。焼き上がりを食べるよりも、2〜3週間放置したものが美味しく食べられます。

 ドイツでは冬の保存食として、11月の終わり頃から作り、クリスマスに食べごろを切って、お祝いをするそうです。

 日本でも最近クリスマス シュトーレンの人気が出てきたようなので、試作してみることにしました。その様子は次回にご紹介いたします。

 次回、お楽しみに。

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