けんちゃんの行け!!麺

第 17 話 蕎麦打ちのコツ 麺棒編

 蕎麦打ちって、難しいです。
何が難しいか?っていろいろありますけど、やっぱり、お金がかかりますよね!
趣味の蕎麦打ちでしたから、できるだけお金を掛けないように工夫してきました。
 蕎麦を作れることは作れるんですが、名人の打つ細く長い蕎麦には程遠いです。
「味は、美味しいよ!」と言われても、自尊心が傷つくばかり・・・
細く長い蕎麦を打つには、やっぱり、専門の道具が必要です。
これが高いんだ!!
 うどんなら何回も折りたたんで切っても、長いうどんが出来ますが
蕎麦の場合、折りたたんだ長さの2倍が麺の長さです。
(手前の折り目は切れないが、奥の折り目は、切れてしまうから)

 うどんの麺棒は、ホームセンターで良く見かける丸い棒でも大丈夫です。
巻きつけて伸ばしますから、麺棒の滑りは必要ないです。
蕎麦の麺棒は、よくすべる滑らかな表面が必要です。
 テレビで観ると猫の手と呼ばれる持ち方で、すべるように蕎麦を打っているでしょ?
僕の麺棒は、実はホームセンターで買った何かの柄なんです。
今でも使っていますが、最初は滑らなくて苦労しました。
サンドペーパーで磨いても生地が付きます。
 後で知ったのですが、「木賊」(トクサ)という生け花に使う、スギナのようなツクシのような植物で仕上げ磨きをすると、本当にツルツルになります。
どんな目の細かいサンドペーパーで磨いても木賊には、かなわないそうです。

 ツヤツヤの麺棒を見て脂が塗ってあるな!と油を塗ってみました。
サラダオイルです。
これはダメですねー。
使っているうちに粉がくっ付いてきて、猫の手が使えません。
 油といっても湿性と乾性とあるんだそうです。
一番ポピュラーなのは、胡桃油です。
胡桃の実を袋に入れて、それで磨いても良いです。
胡桃が潰れて、少しずつ油が出てきます。
意外なのが、オカラや米糠です。
コダワリの麺棒は、これを袋に入れて3年磨くそうです。
少しづつ染み込んだ油と磨かれた表面で、生地がくっ付かない滑りの良い麺棒になるそうです。
3ヶ月でも十分だよと言う話もありますが、蕎麦打ちの執念のようなものを感じます。

 入門編で麺棒を作るなら、ホームセンターに行って正目で真っ直ぐな丸い棒を選んでサンドペーパーで磨き、その後、木賊で仕上げ磨きをします。
木賊は花屋で手に入るかもしれませんが、もし手に入らなかったら、 水だけで綺麗になる魔法のメラミンスポンジでやると良いです。
木賊にはかなわないですが、サンドペーパーだけよりかなりましです。
 胡桃油は入手が難しいですが、胡桃は手に入りやすいので、これを袋に入れて磨くと良いです。
 牛乳で磨いても良いんだそうですよ。水分が多いから、磨いたら拭き取って乾いた布で磨きます。
これを、1ヶ月・・・できれば2〜3ヶ月続けるといいでしょう

 最近は、麺棒を自作する人も多いです。
檜を好む人が多いみたいですね。
微妙にしなるので、力を加えたところが素直に伸びるそうです。
ぶつけて凹んでしまっても、凹みに水をつけると復元しやすいのも良いんだとか・・・
 完全な正目の角材を四角から角を削り八角、更に角をとり、16角、32角と丸くしていき、サンドペーパーで仕上げると丸い麺棒の出来上がりです。

 自作ではないですが、檜のチャンとした麺棒を仕上げているんですが、今でも、ホームセンターで買った「柄」の麺棒を愛用しています。
 ホームセンターで真っ直ぐな丸い棒を見ると買ってきて、いくつも持っていたんですが、やっぱり、狂いが来て使えなくなってしまいました。
けれど、これだけは、全然狂わないんです。
たった一本の生き残りです。趣味でやってた頃の、苦労とか思い出の詰まった麺棒ですから手放せないですね(^▽^)

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