けんちゃんの行け!!麺

第 18 話 蕎麦包丁

 蕎麦包丁って、高いですよね〜
趣味で蕎麦打ちを始める時に、最大の障害がこれかもしれません。
 木鉢は、大きなボールとかで代用が効きますし、麺台は、家のテーブル。
麺棒は、ホームセンターで丸い棒が手軽に手に入ります。
少し手入れが必要ですが・・・
 駒板も、買った方が早いけど、これもとりあえず、ホームセンターで
ベニヤや角材などで作れます。
まな板も、同じくです。

 30cm×1mくらいの板にストッパーとして、角材をくっ付けて置くと蕎麦を切るときにまな板がずれずに使いやすいです。

 でも、包丁はやはり専門の物が欲しいですね。
うどんと違って蕎麦は、折りたたんだ手前はどうにか切れないんですが
先のほうは崩れて切れてしまうから、畳んだ生地の長さ×2なんですね。
家庭用の菜切り包丁は、短い上に刃に曲線がついているので
更に、短くなってしまいます。
そばって、長くてなんぼのもんだと思います。
穀物の蕎麦と言う意味と、中華そばとか、細長い食べ物の意味も
かねていると思いますから。
 僕も最初は、菜切り包丁でやってたんですが、
短い上に包丁の曲線のせいで下の方が、繋がったままになりやすいんで。
安いもので自分で作るのが主義の僕もこれだけは必要だと買うことにしたんですが、当時、八代にそんな専門的な道具は売っていませんでした。
それで、大阪の親戚に送ってもらうことにしたんですが、
何と、七万円もしました。

 一度、値段を聞いてから買ってくれよと思いつつ
始めて手にする本物の蕎麦包丁に感動しました。
滅多に使わないので、使うたびに、綺麗に洗って、タオルで拭いて
タオルに巻いて保存しました。
この毎回毎回丁寧にやっていたのが、ストレスで打つのが、おっくうになってしまいました。

 蕎麦包丁と言うのは、使わないと曲がるんだそうです。
片刃といって、手に持って左が鋼、右が軟鉄なんです。
性質の違う金属を合わせているので曲がってしまうんだそうです。
僕の包丁も曲がってしまいました。

 最初から少し曲がっていたのですが、始めて手にする七万円もした包丁だから、曲がってるのが本当だと思っていたのです。

 そば屋を始めて、どうしても包丁が上達せずに製粉所の専務に相談すると
蕎麦包丁とは、曲がってないのが当たり前とのことでした。

駒板を噛み込んだり、切るときの抵抗が大きかったりするので、生地が動いたり切るリズムが取れません。

このままでは、手を切ると思い自分にあった包丁を特注する事にしたのです。

段ボールで実物大の模型を作り、持ち手の部分の角度、グリップの形など
試行錯誤しました。
グリップの先と包丁の手前の部分がくっ付けてあります。
これは、前の包丁が曲がってしまったので、くっ付けて補強してあります。

グリップは自分の手に合わせて自作しました。
やっぱり、自分で作ると愛着が湧きますね(^▽^)

自分に合わせた包丁は、やっぱり良いですね。



今までの不調が嘘のようです。
上達への近道は、詳しい人に身体に合った道具をアドバイスしてもらうことかもしれません。
でも、遠回りでも、七転八倒しながら自分自身で道を切り開く方が楽しいですね。


(^▽^)



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