12月号 Made in 日本・・・「地産地消」の価値
 「地産地消」(ちさんちしょう)とは、「地元生産・地元消費」を略した言葉で、「地元で生産されたものを地元で消費する」という意味である。この「地産地消」をもっと沢山の人と一緒に考えていきたい。それが「次世代のために」私たちができることの一つだから。

 皆さんは南アメリカのアマゾン川流域に昔から住み続けている人たちの“食に対する思い”をご存じであろうか?
たとえば一つの木に果物がなっていたとしたら、アマゾン川流域に昔から住み続けている人たちは、その果実の3分の1は、自分たちの「命」の存続のために感謝して食し、残りの3分の1は子孫の為に残す。そして残りの3分の1はなんと人間以外の生物たちの為に残すという。すべてがお金という社会に生きている先進国の日本人ならば、食べる以上に全部の果実を我先にともぎとってしまうのではないだろうか。私たち日本人には、アマゾン川流域の人たちのような「次世代のために・・」とか、「人間以外の生物のために・・」と思う心は無くなってしまったのか?

 皆さんは我が国の穀物自給率をご存知だろうか? なんと30%! 世界一の農産物輸入大国である。それでは、輸入品の食の安全、国民の健康はどう考えられているのであろうか?安全性に不安だらけの外国農産物に日本の“食”をゆだねてしまっていいのだろうか?

「ポストハーベスト」(輸入農産物の品質劣化・防腐・防カビ等のために農薬を付加、混入すること)
「遺伝子組み換え食品」(特定の除草剤をかけても枯れない遺伝子や、殺虫毒素をもつ微生物の遺伝子を組み込んだ大豆やナタネ、トウモロコシを原料として作られた食品)
「環境ホルモン」
「抗生物質耐性遺伝子」
(抗生物質が殆ど効かない菌が残留した食品)etc・・・

 少し前までは聞いたこともないような食品に関する言葉が多くなった。しかし、それらを食する一般市民はその現実を知らない方が多い。例えば「農薬」。その人体に及ぼす害は誰しも不安に感じてはいるものの、農業を生産者に委ねるしかないのが消費者の現実だろう。

 輸入大国である我が国の食品による先天異常の真実を“ニホンサル”に見てみよう。
 淡路島のモンキーセンターでは、餌付けされたサル達に高い確率で先天奇形が発生するという異常事態が起こっている。5年ほど前の検査結果では30匹の子サルのうち7匹が手足に障害を持って生まれてくる。形態上での先天異常を指す「奇形」の出生率はこの場合23%。背筋が寒くなるほどの高い頻度である。

 人間の食べものである輸入物の大豆・小麦・ピーナツなどの穀類のおすそ分けを餌にしながら起きているこの現象。死亡した猿の臓器からは高いレベルの有機塩素系農薬が見つかっている。ヘペタクロール・エポキシドやクロルデン類やDDTの検出もある。いずれも発ガン性・催奇性の認められる物質であり、食べ物を通じて蓄積されるものである。
もっとも、サル達は薬品散布の畑に出没して土もなめるし、第一洗って食べない。人間より汚染にさらされる可能性は大きいといえる。しかし、この事実は明らかにヒトへの警鐘ととらえねばならない。

 学術研究の結果は「遺伝ではなく、何らかの環境要因によるもの」となった。これらは、研究予算が打ち切られて未解明のままであるが、全国各地の野猿公苑でも同じような事態が起こっていること、内臓から残留農薬が検出されていることなどより食べものとの関連が強く疑われている。

 また、このサルたちが人間の為の実験台になっている「動物実験=ドレーステスト」(ここをクリック)の事も知って欲しい。

 極めて微量の化学物質をラットやウサギに投与しても“現れてこない異常”が、サルなら“人間と同じように現れたりする”。あのサリドマイドの催奇性もアカゲザルを使った実験で証明済みという。同じ食物を食べ、同じ環境に住んでいる生物同士だ。

 手足の欠陥や裂手裂足、多指欠指といった先天障害は、もちろん既に原因不明のまま人間にも数多く出ている。遺伝では無い事は、人間でもサルでも明らかだそうだ。だとしたら原因は“環境”に求めるしかない。
加害者は人間であり、同時に被害者は、サルでもあって人間でもあるのだ。
皆さんはこの現実をどうお考えだろうか?

 さてはて、嘆いていても食べなくては生きていけない。ならば、
できるだけ生産者の顔が見える地元の農産物を!と考え、地元の農家の方々を訪ねてみた。足で歩いて見た八代の農業に、有機の風を知って嬉しくなった。いたんです!八代にも!できるだけ農薬を使わず、「命」の事を考えてがんばっておられる方々が。

 その生産者の方々の作り方(ここをクリック)を紹介しよう。是非彼らの汗と涙の減農作物を、地産地消の価値を知って欲しい。そして、生産者の顔が見える
「トレーサビリティー」(生産履歴)のシステムに感謝して、少々価格は高いと感じるかもしれないが、消費者は食の安全を考えてMade in日本(八代)の農作物を購入して欲しい。

私が足で探した生産者の声(ここをクリック)を是非ご覧下さい。

 こうした減農作物への需要が増えれば、取り組む生産者も増えるし、安全でおいしい作物がもっと手軽に入手できるようになるだろう。何より地元の農業が活気づくことも嬉しい。

 最後に、八代市農業再生検討委員会でとった生産者版と消費者版のアンケート結果(ここをクリック)をごらん頂きたい。
八代市民の誰しもが地産地消を願っているし、八代の繁栄をも願っていることがよくわかる。

では来月は“胎児からのメッセージ:環境問題「水俣病」” でお会いしましょう!
     メリークリスマス♪     

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