10月号
「食」の安全(命を短くする食べ物たち)

 「かくこの世は住みにくい」と書いたのは、文豪 夏目漱石氏。もし彼が現代に生き永らえていたとしたら、どういう意味でこの名台詞を語るだろうか? 

 短命だった彼だが、しかし、現在の若者達も短命になるべく可能性をもったおそろしい食品に囲まれている。そして、そのことすら知らないで・・・

 食品添加物の問題が、最近ようやく注目されつつあるが、時間が経つと忘れ去られる「でもしょうがない・・」問題になっている。私も数年前まではこのような人体に悪影響する大問題を全く軽く見ていた。食品添加物の毒性を知らず、身震いするほど真っ赤なウインナーや辛子明太子、又、便利さだけで利用していた24時間スーパーのおにぎり類。「おいしいねー」と笑顔で子供と一緒に食べていた。

 そんなある日、「奪われし未来」という本に出会い、“私の子供は私が守らなければ!”と一大決心をした。あらゆる環境問題の本を読み調べた。そして、いろんな本を読むうちにまず、恐怖を覚え、企業・政治への怒りに変わり、最後はどうにか次世代の若者に伝えなければ・・・と心が変わっていった。

 「水俣病」という悲しくも未だ解決できない食物連鎖による“母体から胎児(子)へ”の悲劇!
人類はじめてのワーストデーターとして世界中に名を知らし広めた環境問題。
 同県に住み、八代海の漁業の産物で育った私には問題は深刻である。カネミ油症もしかり、PCBの害は米国五大湖でも同じく次世代へのIQ低下の実例が出ている。

 こんなにも発ガン性・アレルギー性・中毒性・奇形・染色体異常・変異原性 etcと危ない言葉が表示されているにもかかわらず、日本は何故使用を許可してしまうのか? 厚生省は企業や政治家と裏で結びついているのでは・・・と疑いたくもなる。「遺伝子組み換え食品」にしても、「日本国民は他国のモルモットなのか!」と声を大きく叫びたい。
 ノルウェーの女性首相“ブルントラント女史”は、その座に着いてすぐ小児科医の体験をもとに“法律”ですべての食品に人工着色料の使用を禁止したらしい。それに比べ、日本の政治は企業・政治擁護重視でまさに“奪われし日本”である。 

 
ここで私がどうしても伝えたい人たちがいる。

 まず、育ち盛りの子供を持つ親。
 私は我が子にコンビニ弁当を食べさせたくないが為、どんなにきつくても朝6時に起きてお弁当を作っている。弁当箱はステンレス製、お箸は塗りの無い竹箸である。最近の私の悩みは、「塩素系・スチロール製の弁当箱とお箸を使う親たちに、どうしたらその怖さを知ってもらえるか」である。

 次にコンビニを愛用としている若者達。
 店員の「お弁当は温めますか?」の問いかけが「あなたの子孫は奇形にしますか?」と私には、聞こえてしまう。「発ガン性物質!精子がなくなるよ!」と叫びたい。

 最後は次世代の子供を宿している若い妊婦さん。
 スーパーのレジで並んでいると、前の若い妊婦さんのショッピングカートの中を見てゾッとした。

■LAS・POER・ノニフェノール原料の合成洗剤。
■ラウリル硫酸入の歯磨き粉。
■塩素系ラップ。
■環境ホルモン食品の代表である酸化防止剤の溶け出すカップラーメン。
■食品添加物のみの化学調味料
■痛風への窓口スナック菓子。
■開封しなければ冷蔵庫で10年は大丈夫という保存料発色料・結着料・着色料のたっぷり入ったハム・ソーセージ・ベーコン。
■ソルビン酸たっぷりの佃煮・お漬物。
■ホルマリンたっぷりの養殖ハマチ。
■フェニールケトン症の原因の人工甘味料アスパラテーム入りのダイエット食品。
■ビスフエノールAという可塑液が溶け出す缶ビールや缶コーヒー。
■抗生物質漬けの輸入肉。
■食品添加物染めの明太子・ちくわ・かまぼこ。
■ポストハーベストたっぷりかかったバナナ・レモン。
■遺伝子組み換え食品の野菜類・豆類(豆腐・納豆)。
■農薬がたっぷり降りかかったと言わんばかりの形・色・大きさの整った野菜。
■そして極めつけが「レンジでチンしてご飯と一緒」と耳を覆いたくなるようなレトルト食品。
在るもある。

 「それらは今あなたのおなかにいる子供に奇形をおよぼしますよ!」と、後ろから囁いた日には変人扱いされてしまうこの世の中。食品添加物や環境ホルモン食品の害をこれでもか!と口をすっぱくして言っても「厚生省の許容範囲だから大丈夫」と突き返されると情けなくなってしまう。
しかし、我が子だけを守っていても、将来どこにかいる我が子のパートナーとその家族が食品添加物染まりの環境だとしたらまさに「奪われし我、子孫」なのだ。

 だとしたら伝えるしかない。少しでも理解者を増やしていくことが私たち大人の使命だと思う。環境問題を他人事と考えず、ちゃんと知り、学び、伝える。それが大事だと思う。

(私はそういう意味でインターネットを通じて次世代の若者に伝えたい事をホームページにしてみた。是非ご覧頂きたい。
http://ww7.tiki.ne.jp/~matsu-r/kankyou/top.htm

 来月は「生活(命を短くするものたち)」でお会いしましょう!ではでは。
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